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プロダクト開発を取り巻く愛と文化について

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この記事は クラウドワークス Advent Calendar 2018 の12月25日の記事です.

co_creation.png

はじめまして.プロダクトDiv. エンジニアリング部でポエマーをしております @lemtosh469 です.

私(わたくし),社内日報では日頃考えていることを少しだけ放出させていただくことがあるのですが,ありがたいことにたまに反響をいただくことがあり,自分はエンジニアよりもポエマーに向いているのではないかと調子に乗って自負しております.

僭越ながらそんな私が,クラウドワークス Advent Calendar 2018 の最終日を飾らせていただけることになりました.クラウドワークスの名に恥じないように精一杯取り組ませていただきます.

※注 以下,エッセイを読むような温かい気持ちでご笑覧いただけますと幸いです.

プロダクト開発を取り巻く愛と文化について

目次

第1章  愛の発生装置
- Slackというアプリケーション
- カスタム絵文字機能
- 社内文化醸成ツールとしてのSlack
- 「愛の○○」
- 愛の定量化

第2章  文化の伝播
- コミュニケーションに関する真面目なお話

第3章  組織における文化的側面からの解釈
- アジャイルであれ
- アジャイルな時間を過ごす

最終章
- おわりに

あとがき

第1章 愛の発生装置

Slackというアプリケーション

さて,そんな私が執筆させていただく内容は,

社内チャットツールの活用から見えてきた組織文化の醸成に関する考察

です.

皆様のなかには日常的に Slack というアプリケーションに触れられている方も多いのではないでしょうか.

Slack とは

近年ベンチャー界隈を中心として急速に普及している,コミュニケーション用のチャットツールです.Slackにはコミュニケーションを促進させるための様々な機能がありますが,今回はそのなかでも私が特に注目している機能についてご紹介させてください.

カスタム絵文字機能

Slackには,発言に対して絵文字でリアクションできる機能があります.

please_take_me_crowdworks_logo.png

さらにその絵文字は カスタム絵文字を追加する
という機能によってオリジナル絵文字を追加していくことができます.

こんなふうに,既存の絵文字セット以外に自分たちで作成した絵文字(画像など)を追加しておくと,誰かの発言に対して気軽にリアクションをとることができます.弊社でもたくさんのカスタム絵文字が追加され,日々活用されております.

「Slack 絵文字」などで検索すると弊社以外にも様々な組織で,楽しげに活用されていることを知ることができます.

え,そんなものは知っているし既に使っている?
そんなことを思う方は多いのではないでしょうか.

はい,おっしゃる通りですが,
もう少しだけお付き合いいただければと思います.

社内文化醸成ツールとしてのSlack

2018年4月,私が入社した当時もカスタム絵文字は活用されていました.しかし,個人的に既存のカスタム絵文字を使ったリアクションの表現の幅に対して, なんかちょっと痒いところに手が届かない.(もっといい感じにリアクションしたい....) という課題感を勝手に感じていました.

・・・

そんな悶々とした日々を過ごしていたある日,弊社GM(ジェネラルマネージャー)の日報を見ていたときに,

愛だよ愛

という言葉が目に飛び込んできました.

(その言葉の意図を スナックのあ1 に立ち寄ったときに聞いてみると,全ては愛に帰結するということ,愛があれば大抵のことは解決するんだ.ということを教えていただきました.)

コ レ だ !!!

いまコミュニケーションに足りていない表現は 愛なんだ!
が足りていなかったんだ!!

そう受け取った私は,これはなんとしても布教しなければならないという謎の使命感に駆られ, 愛シリーズ (愛のカスタム絵文字) 記念すべき第1号である,

aidayoai.png

を作成して,こっそりと 社内Slackのカスタム絵文字 にリリースしたのです.

それからというもの,徐々に という言霊が頭のリソースを占めるようになり,
なにかに取り憑かれたように,ことあるごとに愛のカスタム絵文字を作成して追加するようになっていきました.そんな隠密活動を通じて私は,組織の中でカスタム絵文字職人として生きる道を見出したのです.

※利用している絵文字作成ツール( 絵文字ジェネレーター - Slack 向け絵文字を無料で簡単生成 ).慣れると10秒もかからないでSlackにカスタム絵文字を追加することができます.

「愛の○○」

この半年の間にコツコツと追加された愛の数は,総計 64 個!!

ainokatamari.png

気がつけば嬉しいことに 自分以外の人も愛の絵文字を追加してくれる ようになっていました.拡散ゼロで愛の仲間が増えていた! ←※ココ重要

愛の定量化

ここで終わってしまうと,ただの自己満足になってしまう(愛の押し付けですね).なので,エンジニアらしく愛の利用率の定量化を試みることにしました.

love_programmer.jpg

愛の利用率の集計

発言のリアクション集計には,Slack APIを利用しました.

(今回作成したコードは,大変恐縮なのですが文章の都合上割愛させていただきます.)

調査対象チャンネル

すべてのチャンネルを網羅したわけではなく,主に雑談が行われるチャンネルを対象としました.そのため,リアクション数は全体をイメージしたものに比べると少なく見える数となっております.また今回は,「2017年4月1日〜2017年12月24日」と「2018年4月1日〜2018年12月24日」(1年前と1年後)をそれぞれ集計して比較することとしました.

愛の利用率

ドンッ!!!

13位に, 愛はそこにあった  がランクインしている...!!!
そして社内の共通言語である,「 」や,「 BeAgile 」といったの絵文字の利用が増えていることがリアクション数からわかりました.

リアクション数の集計処理は,なかなか大変でしたが,やってみる価値はあったと思います.

・・・

(想定では下記のように多かった場合と少なかった場合で,書く内容を変えようと考えていたのですが,なんとも絶妙にコメントしにくい結果となっておりました.せっかく作った画像ですのでそのまま掲載させてください.)

多かった場合

love_is_fun.jpg

愛が溢れていたね!やってよかった!これからも増やしていきたい!

少なかった場合

love_is_cry.jpg

まだまだ愛が足りていない.愛とはなんなのか.これからも増やしていきたい.

・・・

このようにカスタム絵文字1つとはいえ,その機能は個人の感情や価値観を提示する1つの手段,共通言語の醸成のための機能としての側面を持っていると考えられます.

ただのチャットツールとして使うだけではなく,組織のコミュニケーションに愛が溢れる仕組みを取り入れてみませんか.

ここに,愛の塊.zipを置いておきます.

ぜひ皆様も愛の伝道師に(違

第2章 文化の伝播

コミュニケーションに関する真面目なお話

近年,チャットツールの普及によって日々の業務では,メールよりも的確かつスピード感のあるコミュニケーションが求められるようになってきています.

ただここで今一度,そのプロダクト名でもある Slack(弛み) という単語に込められた意味について考えてみたい.

僕は思うのです, コミュニケーションにおいて本当に大切なことは何なのか

言語化能力や深く考える力,ロジカルな思考はもちろん大事ですが,それは自分の価値観から湧き出てくる言葉を整理してより明確に伝えるための手段でしかなく,

本質的に大事なことは,自分とは全く異なる価値観があることを意識しながら,想像力を働かせて相手を受け入れる こと.

もっと簡単に言うと,ひとりひとりの大切にしている価値観がコミュニケーションを取る上で障害にならない こと.そしてそれが 尊重される こと.

ここで,僕の尊敬する文化評論家の言葉を引用させていただきます.

「近所のおばあさんが、毎朝、家の前を竹ぼうきで掃除してるとする。そういう行為をすると、いいよねって思う人がいる。もちろん、何とも思わない人もいるんだけど。で、自分もやってみようとか思って、掃除したりする。つい、忙しいとサボっちゃうんだけど。それはそれでいいんだよ。結局やらなくてもいい。でも、『毎朝家の前を掃除する』という習慣を受け取ったわけだ。それをいいよねとか、古臭いなとか、暇なんだなとか考える。その結果、自分も毎朝掃除してみたり、無理だから日曜だけでも掃除してみたりする人がいる。それが真似するということ。で、真似することによって、それを見た人がまたいいよねって思ったり、若いのに偉いねって思ったりする。」

僕は,こんなふうに 良い習慣が小さくても伝播して ,少しずつ少しずつ人々の間に連鎖しながら拡がっていく( 受け取って,考えて,真似して,行動する )ことが, 文化を作っていく んじゃないかと考えています.

だから, 誰かの良い習慣を見つけたら言葉にして発信 しなきゃいけないし, リアクションをしたほうが絶対にいい ,もしくは 真似をして自分の行動にも反映 してみて,それがまた 他の誰かに伝わる 必要があると思うのです.それが 誰に規定されるわけでもない組織の意志 であり,組織の文化になっていくんだ考えています.(余談ですが,それが組織が生き物と言われる所以なんじゃないかと考えていたりします.)

誤解を恐れずにあえて言うならば,現在のクラウドワークスでは,マネージャーでもない,テックリードでもない,POでもない,チームリーダーでもない,社長に名前や顔すら覚えられていないような末端の一社員である立場の僕でも,このようなことを考えていたりします.

もっと言うと,クラウドワークスには,こんなふうに考えることに意識が向くような環境や大きな変化を受容する文化の器が存在しているのではないかと思います.それは,これまで クラウドワークスを作ってきてくれた人たちの意志 によって少しずつ形成されてきたのではないでしょうか.組織について考えることに上も下も内も外もない.これは, 組織に関わる全員がフラットに考えることができるテーマ だと思います.

第3章 組織における文化的側面からの解釈

アジャイルであれ

2018年12月現在,株式会社クラウドワークスでは 「Be Agile」 というスローガンが掲げられています.(参考:Don't Do Agile. Be Agile

組織から 「アジャイルであれ」という問い を与えられ, ひとりひとりがそのテーマについて考えながら仕事に取り組んでいる状態に向かっている ように感じます.あくまで, 向かっている状態 です.その状態であることが大事なんだと個人的には解釈をしています.事実としてまだまだ大変なことは多いけど,組織の中にいる一人として,文化をつくる一人として,着実に変化する大きな流れの中にいることをピリピリと肌に感じています.

空を見て,雨を受けて,濡れているひとがいたら傘を差しのべる.
傘を閉じて一緒に雨宿りをしながら話すでもいい.
これからジョインしてくれる人は,一体どんなアイデアを考えるだろうか.

こんなふうに,いまのクラウドワークスでは ,ひとりひとりの振る舞いが文化になっていくひとりひとりが文化をつくる過程のど真ん中にいる
それが今期のスローガンである,

be_agile.png

という言葉に込められていると考えています.

アジャイルな時間を過ごす

いまの情報化社会には,生き急がないとまるで負け組かのように煽る記事や解釈が無限に溢れています.そんな中でイケてる自分の演出や肩書きに惑わされることなく,声の大きい人に左右されない気持ちであることはなかなか難しい.

ただ,ひとりひとりが自分の物語の主人公のはずで,そこは 誰の解釈にも揺るがされることはない事実 だと思います.

でも,ひとりだと心が折れてしまいそうな状況はたくさん訪れる.惰性という気持ちも湧いてくる.だから, 身近な誰かとスクラムを組んでお互いに刺激し合いながらアジャイルな状態を維持 しなければならない.

せっかく出会えたのだから,人生を振り返ったときに大きな成果や立派な肩書よりも少しだけ先に, 仲間と共にプロダクト開発をしていたアジャイルな時間 を思い出すほうが,僕はひとりのエンジニアとして人生が豊かだったと言えると思うのです.健全だと思うのです.

残念ながらこの世の中には 絶対的に良い場所は存在しない けれど,自分の世界のなかで過去を振り返ったときに 良い時間だったと解釈する ことはできる.

クラウドワークス Advent Calendar 2018 のエントリーを見ていただくとわかる通り,今年のアドベントカレンダーは エンジニア だけではなく, PM(プロジェクトマネージャー)PO(プロダクトオーナー)デザイナーマーケター ,様々な分野が混じり合いながら一つの組織(プロダクト)を作っていることが垣間見れると思います.

ダイバーシティがあると言うと尤もらしいけど,これからももっとたくさんの人が集まってより複雑な状態になっていく中でも, アジャイルであることでその複雑性を受け入れながらプロダクト開発をしていく ,これがクラウドワークスの文化と言えるんじゃないか,と思いたい.

最終章

おわりに

いかがでしたでしょうか?
今回はご紹介しませんでしたが,Slackにはローディングメッセージ機能や,小さなインタラクションの数々など,文化を作るための機能がたくさん仕込まれています.(こんな素敵な機能を使い倒さない手はない!)

こうして文章としてまとめていくなかで単なるチャットツールではなく,文化を醸成する機能を持つプロダクトとしてのSlackの偉大さを改めて感じたのでした.

愛が溢れるプロダクト,作っていきたいですね!!

長々とご拝読いただきまして,誠にありがとうございました.
クラウドワークス Advent Calendar 2018 を楽しみにしてくださっていた皆様,
弊社にご興味を持っていただき感謝申し上げます.

この場を借りて深くお礼申し上げます.

あとがき

あとがきから読む派の方,僕も一緒です.はじめまして.プロダクトDiv. エンジニアリング部でポエマーをしております @lemtosh469 です.

本記事は,単なるSlackの機能紹介とその活用事例ではなく,プロダクト開発を取り巻くコミュニケーションに関する考察と,現在のクラウドワークス文化のほんの一部の雰囲気を紹介している記事です.そして,テクノロジーを使うとこんなふうに文化を作れるんだという一つの事例としても見ていただけるかもしれません.

技術に注力した記事ではなく,個人的な解釈の強い内容ではありますが,ぜひ冒頭から読んでいただけると何か新しい発見があるかもしれません.(なかったらすみません!!)

えらく大きなことを書いてしまったような,偉そうなことを書いてしまったような,そんな気もします.ただ,エンジニアとして駆け出しの僕が,いまこんなふうにのびのびと記事を書けていることも,こういうこっ恥ずかしい内容を書いて公開できることも,

気の良い仲間たちと適切な心理的安全が作られ,日々前進している実感があるからだと思います.悩んだり,怠けそうになったりしても互いの振る舞いによって刺激し合いながら,楽しくいれたり,笑いあえたり,そんなふうに関われている周りの人たちに,改めて感謝です.ありがとう.




それでは,みなさま!「働くを通して人々に笑顔を!」


クラウド・ワー!!(※弊社の写真撮影時の掛け声です.)

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  1. 「スナックのあ」とは,不定期に開催される @noa_design51 をママとした飲み会.社外イベントとして開催されることもあります. 


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